元レディース(女子の暴走族)総長で、全国の少年院での講演活動などに取り組む中村すえこさん(47)による講演会が、2月1日、川崎商工会議所で行われた。大師地区交通安全母の会の50周年記念の企画。
中村さんは貧しい家庭環境に育ち、中学でレディースに入り卒業後に総長になった。けんかに明け暮れ、16歳の時に傷害罪で逮捕され少年院へ。その後も覚せい剤で逮捕された経験を持つ。通信制大学で教員免許をとり、現在は私立高校で社会科の教師を務める。
講演は「セカンドチャンス〜やり直しのできる社会へ〜」をテーマに、中村さんの半生とNPOの活動、その活動から見えてきた社会課題について語った。
中村さんは17歳で覚せい剤使用で逮捕されたとき、妊娠が発覚し、「お腹の子を守れるのはお前だけ」という母親の言葉に初めて本気で「変わりたい」と思ったという。保護観察処分になり「今の君なら社会でやっていける」と調査官に言われた事にも触れ、立ち直りのためには「信じてくれる人の存在」が重要だと強調した。
二人の大人の言葉をきっかけに更生した中村さんは普通に仕事をするようになった。30歳を過ぎた頃から少年院出身者による更生にむけた自助グループ「NPO法人セカンドチャンス!」の創設メンバーとして出院者の居場所作りに奔走。全国の少年院で「やり直しができることを伝えるため」の講演活動も行っている。出院者が立ち直るには「再スタートを応援できる社会に変わらなければならない」と指摘。特に地域の人の力は大きく、「意識的な声掛けなど小さなことで少しずつ人が変われば社会も変わる」と呼びかけた。
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