サッカーJ1・川崎フロンターレは8月8日、後援会員数が5万人を突破したと発表した。会員のうち、川崎市民は約2万7000人でその割合は54%を占める。クラブでは大台を突破したことを喜ぶ一方「約154万人の川崎市人口の1・75%に過ぎない。10人に1人が入会しないと川崎市に愛されたクラブとは言えない」と気を引き締める声も聞かれる。
今季は、コロナ明けによる全観客席での声出し応援の解禁や7月に行われたドイツ1部リーグ(ブンデスリーガ)の強豪バイエルン・ミュンヘンの特別試合などが新規入会の増加を後押しした。7月下旬には「みんなで5万人の壁を越えろ!」と銘打った新規入会キャンペーンをウェブサイト上に公開。サポーターの協力やさまざまな紹介を受け5万人の会員数を突破したという。同クラブ後援会担当の田中信光さんは「今年が始まった時には社内で5万人を達成しようと意気込んでいたが、ハードルは高いと感じた。達成できてほっとしている」と胸をなでおろす。田中さんはまた、等々力陸上競技場が収容人数3万5千人の球技専用スタジアムについても言及。「スタジアムを満員にするには少なくとも10万人以上の市民会員獲得が必要」との認識を示す。
川崎フロンターレ後援会は2003年に 「川崎フロンターレファンクラブ」と統合し、現在の名称に変更。08年には会員数が2万人を突破し、リーグ戦初優勝した翌年には4万人を超えた。同クラブによると、有料制の会員で5万人を突破したクラブは恐らくないという。
後援会員数が増え、試合観戦チケットやイベントの競争率が激化。さらなるサービス向上に向け「クラブと接点を持つ機会を増やす必要がある」と田中さんは語る。また、フロンターレ創成期からクラブを支え続けてきたスタッフの一人、天野春果さんは今後、会員数を増やしていくことについて「チームとしては魅力あるサッカーを展開。地域活動では試合の勝敗に左右されない、ファンを生み出す企画を実行するなどクラブ一丸となって取り組まねばならない」と力を込めた。
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