言葉巧みにだまして金品を奪う「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」といった特殊詐欺被害が、いまだに後を絶たない。神奈川県内の7月末時点の被害件数は1164件で昨年と比べ181件増加。被害金額も約23億3800万円で3億9900万円増えており、今年に入り被害は急増している。
県警の発表によると、特殊詐欺の被害では、息子や孫になりすました電話で、仕事でのトラブルなどを口実に金銭を要求する「オレオレ詐欺」が最も多く、最近ではインターネットやハガキで、未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし金銭等をだまし取る「架空料金請求詐欺」の被害が増加、昨年に比べ83件増加している。
県警の担当者によると、被害に遭わないためには「家族への思いやりが大切」という。家族を特殊詐欺の被害から守るためには、正しい防犯知識を持ち、積極的なコミュニケーションをとることが重要になる。「家族の絆で特殊詐欺の被害を防ぎましょう」と呼び掛けている。
県警では、ウェブサイトでは特殊詐欺事件の犯人写真を公開し注意喚起を行い、迷惑電話防止機能のある電話の貸し出しを無償で行っている。
担当者は「最近のオレオレ詐欺は『会社の女性を妊娠させてしまった』『かばんを失くした』といったキーワードでだます手口が多く注意を。少しでも不安に思ったら、お近くの警察署へご相談ください。防止機能のある電話も効果は大きいので検討してほしい」と話した。
闇バイトで特殊詐欺加担者に
SNS上で高額収入をうたい、気軽に応募した結果、特殊詐欺に手を染めてしまうケースも後を絶たない。いわゆる「闇バイト」と呼ばれるもので、犯罪に加担する少年が増えている。
神奈川県警によると昨年、県内で起きた特殊詐欺事件に加担し検挙された19歳までの少年は78人。うち高校生が21人、中学生が11人という。県警は「危機的状況」として警戒を強めている。
「電話でお金の話が出たら要注意!」川崎警察署 鈴木 達也署長
オレオレ詐欺と還付金詐欺の手口のほとんどは電話です。近年、特殊詐欺のシナリオは複雑化しており、複数回に分けて電話をしてくるケースもあります。一定期間、特定の地域に集中してかかってくる傾向のある前兆電話を署内で張り紙や放送でお知らせし、対策を講じています。「電話でお金の話」が出たら詐欺だと疑いましょう。通報で防げるケースもあるので、不審な電話があったらお気軽にご相談ください。
闇バイトに手を出さないで川崎臨港警察署 仲戸川 博幸署長
闇バイトは犯罪です。「闇バイト」は犯罪実行者の募集です。
SNSやインターネットの掲示板には、仕事の内容を明らかにせずに著しく高額な報酬を約束して犯罪の実行者を募集する投稿が掲載されています。簡単に高収入を得られるなら、と応募すると、特殊詐欺や強盗などの犯罪に加担することとなり、逮捕された人が多くいます。絶対に手を出さないでください。怪しいと思ったら、警察や家族に相談してください。
川崎臨港警察署では闇バイト啓発防止のためのアニメ「リンゴちゃん」を作成し、ユーチューブで紹介しています。主人公のリンゴちゃんが軽い気持ちで闇バイトをした結果...、その顛末をご覧ください。
「自分ごと」として対策を幸警察署 福田 博之署長
特殊詐欺の被害は、依然として高い水準で推移しています。被害者の方からお話を聞くと、「特殊詐欺の手口は知っていた」という方が多くいらっしゃいます。特殊詐欺は、対岸の火事ではありません。今日、騙しの電話が皆さんのお宅に掛かってくるかもしれないのです。
「自分も被害に遭うかもしれない」と考えて、息子や孫を語る者からの電話が掛かって来たら、ご家族や警察に必ず相談してください。
![]() 川崎警察署 鈴木 達也署長
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![]() 幸警察署 福田 博之署長
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