浄土宗 一乗山 教安寺の住職を務める 野呂 幸裕さん 川崎区小川町在住 45歳
安心できる居場所づくり
○…「何かあったときに安心して頼れるような場所を作りたい」。11年前、先代が急逝し34歳で住職になって以来、境内を開放して夏祭りや花火大会、ラジオ体操などさまざまな催しを開催する。心に刻むのは幼いころから先代の「困っている人に目を向ける」姿勢。とりわけ2011年の東日本大震災は地域との連携強化を考える大きなきっかけとなった。寺のある小川町はワンルームマンションも多いため、地域住民同士のつながりが薄い。「寺は長い間、同じ場所にあり、どの時代も地域と共に生きていくべき」と寺の役割を見つめ直した。
○…障害者の就労支援を行う「NPO法人 エミフル」が本堂前の会館を活動拠点にしたいと申し出たときには「障害の有無に関わらず、それぞれの個性を受け入れながら共生していきたい」と快諾。すると、数珠つなぎのような形で地域の縁が広がった。相談事には一つ一つ丁寧に対応。無理することなく自然体の振る舞いがモットーだ。
○…生まれも育ちも小川町。「公園が一つもないくらい、商業に特化した町」と少し寂しそう。自然と山歩きが好きで、毎年、妻と12歳と8歳の娘を連れて上高地を訪れるのが恒例。ゆったりとした穏やかな時間が癒しとなっている。「いつか自然豊かな地で暮らしてみたい」と理想を語る。
○…明日の音楽コンサート「お寺で弦楽四重奏」は主催者が開催場所を探していることを知り「目の前にある課題や問題に対して自分ができる最大限のサポートをしたい」と本堂を会場にすることを提案した。当日まではタイトなスケジュールの中で協力者とともに準備を進めた。「一見、難しいと思えることも協力し合うことで乗り越えられる」との思いを強くした。
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11月22日
11月15日