第72代JR川崎駅駅長を務める 加藤 正巳さん 駅前本町在勤 60歳
感動が生まれる駅に
○…市内最大のターミナル駅「JR川崎駅」の第72代駅長、川崎統括センター所長として鶴見線や南武支線の駅管理など、幅広い業務に奮闘する。同駅で運転士出身の駅長は歴代初。幼少期を過ごした街の市制100周年のタイミングで駅長を務めるのも縁を感じる。安心、安全を提供するのはもちろんのこと、多くの人と関わりながら「感動」を創り出せるような川崎駅を目指す。
○…4歳から18歳まで幸区の北加瀬で過ごした。幼少期は新聞記者に憧れを抱いたが、運転士指導をしていた父の背中を見ているうちに、同じ道を志すように。1982年、国鉄最後の職員として入職。その後10年は後輩が入らず「ずっと下っ端でした」と苦笑い。激動の国鉄改革では多くの仲間が違う道に進む中、運よく新会社に残れた。当時の天皇陛下が乗車する特別列車の運転士を務め、同駅を走り抜けた経験は印象深い思い出として刻まれる。
○…結婚後、3人の子宝に恵まれた。家族旅行にもスーツと革靴を持参し、急きょ仕事に戻らなくてはいけなかった時も。「家族には、寂しい思いをさせてしまった」と当時を振り返る。今では子どもとお酒を飲みながら昔話になることもしばしば。「社会人になり、やっとお父さんの気持ちが分かった」という言葉に救われた。
○…仕事人間で、趣味の旅行も話題のお店巡りも「結局は仕事に生かせないかとヒントを探している」。今や駅はただの移動手段ではなく、駅ナカ販売や催しの開催など、地域活性の一端を担う。日々、変化し続ける流行には敏感に、挑戦し続けたい。現場をよく知るからこそ、大切にするのは「お客様目線」での視点。「駅から川崎の魅力をアピールしていきたい」と力を込める。
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10月4日