猛暑到来を前に、川崎市は外出時の熱中症予防のために区役所や図書館など194の公共施設を「一時的に暑さをしのぐ場所」として供用する「ちょこ涼(すず)」の運用を7月1日から始めた。昨年度の熱中症救急搬送者数の約3割が外出時だったことから、熱中症になる前に涼しい場所でのクールダウンを推奨するもので初の試み。9月末までの開庁時間であれば誰でも休憩利用できる。市は「ちょこ涼」に協力できる民間事業者も募集している。
搬送、高齢者が半数
市の環境総合研究所の統計では、2023年度の月平均気温は7月28・9度、8月29・5度で、集計を開始した2007年度以降で最高だった。熱中症による救急搬送者数は554人で、8割が7月と8月に集中。年齢構成としては65歳以上の高齢者が50%を占め、活動別の内訳では「屋内生活」の35%に続き「屋外外出・散歩」が30%で2番目に多かった。
市では今年も猛暑が予想されることから、市全域での熱中症予防対策を強化。まず高齢者を対象とする体操教室や文化サークルなどを実施している団体と連携し、参加者に対して「熱中症予防リーフレット」を配布のうえ、こまめな水分補給や適切なエアコン使用などの予防対策を、継続的に呼び掛ける。
そのうえで新たに「ちょこ涼」を導入。協力を呼び掛ける民間事業者の対象としては、【1】エアコンがあり休憩場所で空調が効いている【2】普段から市民が出入り可能な施設【2】施設内で水分補給が可能【4】施設内に休憩できる椅子などがあること、の4条件を満たす施設。先行して熱中症予防の「お休み処」を開設した東京都世田谷区では、薬局や整骨院、銭湯などが事業に協力している。市の担当者は「まず公共施設での実施をPRし、市民に利便性の高い民間施設の協力もお願いしていきたい」としている。
「ちょこ涼」の申請は左の二次元コードから。問い合わせは市環境局環境総合研究所(【電話】044・276・8964、【メール】30sotosi@city.kawasaki.jp)。
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