酷暑が続くこの夏、川崎市夢見ヶ崎動物公園(幸区南加瀬)では、飼育員たちが動物たちを暑さから守る工夫を続けている。
同園では約50種類の動物を飼育・一般公開している。極端に暑さに弱い動物は少ないものの、危険な暑さが収まらないため、個別に対策を講じているという。
一般公開中の動物でもっとも暑さに弱いのは、中国の高山地帯から来たシセンレッサーパンダだ。屋外活動を好むため放っておくと熱中症になる危険があり、例年、気温が上がる初夏ごろから冷房の効いた室内に移動させる。室内温度は20度に設定するそうだが、エサを食べるとき以外はじっとしたままだ。
ラマやマーコールなどの土の上で生活する動物向けには、こまめな放水で地熱を冷ます方法がとられる。さらに暑さに弱いテンジクネズミのケージでは、地面への放水に加え、水を凍らせたペットボトルを置いてクーラー効果を狙う。それでも「日が当たる地面の温度を測ると、50度近い日もある」と飼育員。
温帯地域に生息するフンボルトペンギンは比較的暑さに強いそうだが、園では陸地部分にポールと布で日陰を作り、ミストを噴射して暑さから守る工夫を重ねる。今年3月に生まれたヒナ「ツララ」もすくすく育ち、暑さに負けず水槽を元気いっぱいに泳ぎ、来園者を楽しませていた。
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