北米大陸最高峰デナリ登頂など挑戦の記録を綴った本を出版した 安田 順治さん 宮前区在住 51歳
やらぬ後悔よりやる後悔
○…昨年12月、自身の半生を綴った著書「大丈夫 君の未来はきっと明るい」を出版した。小中学校でいじめにあい、就職してもうまくいかずホームレス生活も体験したが、30代半ばで北米大陸最高峰デナリ(マッキンリー)の登頂を目指し、成功させた人生を赤裸々に語っている。「自分に自信が持てない、今一歩踏み出せない、そんな人々を笑顔にして元気づけたい」と語る。
○…小学5年生で転校先の学校でいじめにあった。「心を閉ざし、まるで草食動物のように周りにびくびくしながら生きるように」。就職氷河期と呼ばれた時代、職を転々とし、ストレスと過労で入院、会社の倒産で公園で寝泊まりもした。そんな人生のどん底で見つけたのが、富士山登山ツアーのチラシ。何となく参加したが、山頂からの「ご来光」(日の出)に感動し涙した。「何も取柄もなく、逃げていた自分を変えたい」
○…大学時代、スキー場でバイトをしていたときに本を読んだ冒険家たち、特に植村直巳が登頂し帰らぬ人となったマッキンリーに憧れた。「山頂から景色を見たい。やるなら好きなスノーボードで山頂から滑る」。マラソンや水泳などで体力づくりをはじめ、丹沢の山々に登り自力をつけた。日本の高山を経て40歳を過ぎてから海外遠征で腕を磨いた。そして2019年5月、念願のデナリの登頂に成功。「いじめられっ子で落ちこぼれだった自分から脱却し、誇りを取り戻すことができた瞬間だった」
○…「やらないで後悔するより、やって後悔した方が100倍いい」が人生訓。現在はアウトドアスポーツの裾野を広げたいと指導員の資格を取得しスクールを開講。経験を伝えようと講演活動も行っている。挑戦は終わらない。
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1月24日
1月17日