川崎市内で年末年始にイノシシやサルの出没が続いた。イノシシは昨年12月7日から17日、サルは今年1月6日から9日にかけ、市街地での目撃情報が相次いだ。以後は情報が途絶えているが、市は「もし遭遇しても絶対に刺激しないように」と注意喚起している。
イノシシは、昨年12月7日、多摩区菅稲田堤1丁目での目撃情報に始まり、多摩区内で連日「イノシシを見た」という情報が多摩警察に寄せられ、12日には麻生区、13日には宮前区でも目撃された。17日午後に麻生区王禅寺西7丁目を最後に、市内の情報は寄せられていないという。
一方のサルは、1月6日に多摩区内で「サルを見た」という110番通報が相次ぎ、翌7日には多摩区と高津区、中原区で、左手のないサルが目撃されている。
市の動物愛護センターの金子亜裕美所長によると、サルはたびたび市内に出没したが、「イノシシが市内で確認されたのは初めてではないか」という。「サルは電柱や屋根を伝って動くので人に遭遇せず長い距離を移動できるが、イノシシは地面を歩いて移動する。市街地に出没することは想定外だった」と話す。
冬はイノシシ猟が解禁されており、丹沢や奥多摩に生息する個体が駆除から逃れて多摩川沿いに移動した可能性などが推察されるという。
金子所長は、「イノシシは道を開けてやり過ごせば危害は加えないが、興奮すると敵を失血死させるほど攻撃的で危険な動物。サルでもイノシシでも、目撃しても接近して撮影するなどの行動はとらないでほしい」と呼び掛けている。
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