避難所の子に学習の場を 慶大生らが「とどろき学習室」を開講
東日本大震災で、被災地から川崎市とどろきアリーナに避難している子どもたちの学習を支援しようと、慶応義塾大学の学生らが「とどろき学習室」をスタートさせた。先月30日の初回には、10人余りの子が参加。今後は週1回のペースで実施していく予定だ。
とどろきアリーナに避難している被災者は5月9日現在で84人。このうち約3割が子どもたちだ。多くは4月から中原区内の学校等へ通い始めているが、避難所には”自宅学習”の場が充分ではない。そこで「子どもたちの勉強のお手伝いができれば」と、慶大商学部の学生らが中心となり立ち上げたのが「とどろき学習室」だ。
先月30日には商学部教授をはじめ約10人がとどろきアリーナへ出向き、研修室などを利用し、学習支援を行った。初めはとまどいを見せていた子どもたちも次第に集まり、大学生に勉強を教えてもらったり、話を聞いてもらったりと、すぐに打ち解けた様子だった。
避難してきてからはダンボール箱の上で勉強していたという女子児童は「久々に机で勉強ができて嬉しかった」と笑顔で話した。また、勉強の遅れを心配していた中3の受験生をもつ保護者からも喜びの声が聞かれた。
この学習室の発起人で、川崎市役所に勤務しつつ慶応義塾大学メディアデザイン研究所に通う鈴木健大さんは、「地震で子どもたちの将来の夢を諦めて欲しくない、という思いがきっかけ。学習の場を作ってあげることに加えて、年齢の近い大学生だからこそ相談に乗れる事などもあると思った」と話す。
5月3日には2回目を行い、今後は学校が休みの土日などを利用して週一回のペースで実施する予定だ。「避難所が閉鎖されても、被災者の子が地元にいる限り続けていきたい」としている。
足りない学習用品と大学生
もう一つの問題が、学習用品の不足だ。「とどろき学習室」の対象が小学生から高校生と幅広く、学年も学習テーマも異なるため、それぞれに合った参考書や問題集などの勉強道具が必要だという。ホームページやツイッターなどで支援を呼びかけるとともに、学生らが交流のある元住吉のオズ通り商店街などにも、必要な物を自由に購入できる「図書券」の支援協力を呼び掛けているという。
また同学習室では、大学生の講師ボランティアも募集している。教える内容も一人ひとり異なるため、理想なのはマンツーマンでの指導を行うこと。
しかし、鈴木さんは「あくまでも学習塾ではない。家族や仲間を失った子どもたちに光をともしてあげ、夢や希望を与えてあげること」と話し、「一緒に協力してくれる学生がいたら、ぜひ連絡して欲しい」と呼びかけている。
問合せ・詳細は、ポータルサイト(ヤフーやグーグル等)から『とどろき学習室』で検索のこと。
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11月29日
11月22日