区内で活動する傾聴ボランティア団体「やすらぎ」の代表を務める 高橋 順子さん 池上新町在住 73歳
会話が元気の源
○…5年前にボランティア団体「やすらぎ」を立ち上げ、21人の仲間とともに、区内を中心とした傾聴の活動を続けている。ただただ親身になって話に耳を傾ける「傾聴」は、心を癒し、孤独感や不安を軽減する効果があるとされ、人と会話をする機会の少ない独居高齢者や高齢者施設の入居者らに対し、全国的に行われている。「お年寄りに限らず、人は誰でも『話を聞いてもらいたい』『認めてもらいたい』という思いを持っています。今後も『よりよく聴く』ことで多くの人の支えになれれば」と語る。
○…傾聴との出会いは9年前。「地域の役に立つボランティアがしたい」との思いで、川崎市主催の講習会に参加した。座る位置や声のトーン、目線の合わせ方などの技術を学ぶたび「自分が今までいかに人の話を聞いてこなかったか、実感しました」。よりよく聴くためのコツは「相手が何をしゃべりたいのか」を常に考えながら耳を傾けること。傾聴を始めてからは「家族や友達との会話でも自分の意見をいったん飲み込んで、相手の気持ちに寄り添えるようになってきました」と嬉しそうに話す。
○…宮城県栗原市出身。結婚を機に、同郷の夫が働く川崎区内に移り住んだ。趣味は多彩で、卓球や手話、ヨガなど、様々なサークル活動に積極的に参加している。ボランティア中は聞き手に徹するが、普段はもっぱら「話し手」。サークル仲間とのおしゃべりから元気を得ている。
○…地域の高齢化を受け、区役所や地域包括支援センターに寄せられる訪問依頼の件数は年々増加傾向にある。会全体としては、昨年1年間で約150回、高齢者施設や個人宅を訪問した。「初年度は年に100回もなかった。必要とされているんだなと日々実感します」。一方で、世間での「傾聴」の認知度はまだ高いとは言えない。区内で講座の講師を務めるなど、認知度アップを目指した活動も精力的に行っている。
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11月22日
11月15日