外国人市民の防災意識を高めようと今月8日、カトリック貝塚教会などで防災フォーラムが開かれた。外国人市民、通訳ボランティア、区民会議委員ら約100人が訓練に参加。多文化共生や共助の観点から将来的には地域住民との連携の必要性が訴えられた。
「外国につながる市民と考える防災フォーラム」は川崎区、川崎区区民会議、川崎市ふれあい館が主催した。
2014年12月31日時点で川崎区には市内で最も多い1万1525人の外国人市民が在住する。外国人市民は言葉の壁から限られた情報しか入らないなど「災害弱者」として位置づけられ、外国人市民を含めた地域防災力の課題となっている。
フォーラムが行われたカトリック貝塚教会はミサで外国人市民がたくさん集まり、コミュニティーが形成されている。こうしたコミュニティーで開催されるのは初。この日はベトナム人、フィリピン人、ペルー人、中国人をはじめ、通訳ボランティア、区民会議委員ら約100人が集まり、避難所の確認や水消火器による消火訓練、煙体験などを行った。
ホ・クリスティーナさんは「3・11の時にはどこに避難すればいいのかわからず、不安で悩み、家に閉じこもっているフィリピン人の仲間が多くいた。こうした体験はありがたいし、安心できる」と語った。
ベトナム出身の長杜(ながもり)玲侍(れいじ)さんは「いざという時にどう対応すればいいのかが分かり、いい経験になった」と述べた。
フォーラムは外国人を中心に行われたが、「災害に国籍は関係ない。お互いに仲良くして理解を深めることにチャレンジしなければならない」(トニー・トレンティノさん)と指摘する声も。
北沢仁美副区長は「将来的には地域の日本人も一緒に混じってできる取り組みができれば」との認識を示した。
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