美術を通して、川崎市と韓国・富川市の友好関係構築を下支えする 矢追 三惠さん 宮前区在住 75歳
人とのつながりが財産
○…油絵画家として活躍する傍ら、足かけ20年にわたり、友好都市協定を結ぶ川崎市と韓国・富川(プチョン)市の美術交流に尽力。「川崎・富川―日韓美術交流展」と銘打った展覧会を定期的に開いてきたが、持病の悪化などもあり、先月下旬のアートガーデンかわさき(川崎区)での展覧会を最後に、活動に一区切りをつけた。「全国にある日韓美術交流展の多くは作品を送りあうだけ。芸術家同士が訪問しあって友情を深めてきたことが展覧会の開催意義で、そこで培った人との『つながり』が私の財産」と振り返る。
○…交流展開催のきっかけは川崎市と富川市が友好都市協定を結ぶ前年の1995年、川崎市に視察に訪れた富川市長と富川美術協会初代会長である李貞烈(イジョンヨル)氏らと美術交流を始めようと話したこと。資金を集めるため、美術仲間とともに川崎市民祭りでチマチョゴリを着て、手作りのキムチやサムゲタンを販売したことは印象深い出来事だったという。
○…芸術家同士だけでなく、川崎市と富川市の子どもたちにも美術交流を促す。2007年から毎年、両都市の子どもが描いた絵画の展覧会「川崎・富川(韓国)こども美術交流展」を両国で実施。2013年からは両都市の子どもが互いの国にホームステイし、異国文化を肌で感じられるような活動も行っている。「子どもの頃から異文化に触れることは大変いい経験になる。近年、ヘイトスピーチが問題となっているが、大人になっても差別しない人間に育つように信じて取り組んでいる」と語る。
○…日韓美術交流展のひと段落で、日々の生活が落ち着くのかと思いきや、「地元のコミュニティーバスの延伸を求めた活動も行っている」と語る。引き続き、両都市の子ども同士の美術交流やホームステイに取り組んでいくとも話しており、人との「つながり」を大切にした活動は当面続きそうだ。
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11月22日
11月15日