6月3日に川崎市教育文化会館で「ヘイトデモや集会を繰り返していた」団体が講演会を計画し、川崎市が会館の使用を許可した問題を受け、市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」(関田寛雄代表)は今月12日、川崎市の対応を非難する声明文を発表した。
川崎市は公的施設でのヘイトスピーチを未然に防止するため、3月31日に利用許可のガイドラインを施行。これに照らして判断する初のケースだったが、市は「言動」「迷惑要件」に合致しないとして使用を許可した。
集会は市民の抗議活動で中止となったが、福田紀彦市長は「混乱が生じたのは遺憾。市民の気持ちは分かるが、集会が実力行使でできなくなるのは望ましい姿ではない」との見解を示していた。
声明文で同ネットワークは「市が不許可にしないなら、市民が盾になるしかない。目の前で引き起こされようとしている人権侵害を食い止めようというやむにやまれぬ行動、正当防衛にほかならない」とし、この問題は、集会の自由や表現の自由ではなく、差別の問題であると断じた。
その上で、ガイドラインの課題の検証を求め、差別を明確に禁止し、社会悪として罰する条例の制定を求めた。
■市に要望書提出
同ネットワークは12日、市にガイドラインの適正運用と人種差別撤廃条例の早期制定を求める要望書と在日高齢者クラブ「トラヂ会」のハルモニ(おばあさん)たちの手紙を提出した。手紙には正面から差別と向き合うよう綴られている。
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