川崎区本町で明治27年創業「岩田屋」を営む一級建築士の岩澤克政さんが事務所に隣接する空き倉庫をリノベーションし、地ビールの醸造所兼店舗の「東海道BEER川崎宿工場」を昨年末、構えた。岩澤さんは「ビールで東海道川崎宿を盛り上げたい」と意気込む。
岩澤さんは川崎青年会議所(JC)や川崎ロータリークラブ(RC)、旧東海道の新宿青年会での奉仕活動を通じ、地域活性に関心を寄せる。
3年前、川崎市が主催するリノベーションスクールに参加した際、かつて川崎宿周辺に麦畑が広がっていたことを知り、麦酒ことクラフトビールの醸造を思いついた。仲間の後押しもあり、空き倉庫を利用して、地ビールの醸造所兼店舗を構えることを決意した。
醸造技師には、幸区南加瀬で「カリスマ」と呼ばれていた田上達史(たのうえさとし)さんを招いた。交通事故でリハビリの最中の田上さんに、岩澤さんが「この地を地ビールで盛り上げたい」と熱いラブコールを送り続けたという。
醸造所兼店舗は、日本的なデザインを意識。入口は稲毛神社の神木でもある「イチョウ」と勝ち虫「トンボ」をあしらった組子のような装飾も取り付けた。店内は11席設けられ、カウンター越しには醸造するタンクが見える。岩澤さんの「庭から工場夜景が楽しめるようなコントラストと臨場感を味わってもらいたい」とのこだわりだ。
先月19日のオープニングセレモニーには、50人以上の関係者が参加。元参議院議員で川崎市観光協会会長の斎藤文夫さんは「我が川崎宿のビールが一杯グイと飲める時代が来た。川崎を代表するビールとして発展してもらいたい」とエールを送った。
挨拶に立った岩澤さんは「2023年には東海道川崎宿が制定400年の節目を迎える。(店の先にある)多摩川と東海道をつなぐ集える場にしたい」と語った。
販売するビールは爽快で苦さのあるIPAと呼ばれるものや県立川崎高校養蜂部によるハチミツを使ったイチゴ風味が楽しめるビールなど全4種。営業時間などは(【電話】044・272・3639)へ。
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