市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は今月9日、ヘイトスピーチについて理解を深める学習会を川崎区東田町の川崎市労連会館で開いた。精神科医の香山リカさんが「ヘイトスピーチの根絶を目指して」と題して講演した。
香山さんは2013年、大阪でヘイトデモに初めて遭遇。その時の出来事について「リアリティーがなかった」と振り返った。北海道出身の香山さんはその後、アイヌ民族への排外的な主張をする政治家の存在とともにネット上で賛同する声を知った。短文投稿サイト「ツイッター」で、アイヌにルーツを持つ人たちが怯える投稿が増え、「(差別主義者に)何か言わなければ」と、抗議活動に加わるようになったと語った。
抗議デモに参加すると、精神科医として、被害当事者の受けるダメージや差別主義者の心理について気になるようになったと述べ、「精神科医として、ヘイトスピーチへのある種の介入をしなければならない思いを持っている」と強調した。
香山さんによると、精神科医はかつて、ナチスによるホロコーストに加担した歴史があると指摘。人権感覚に対し、デリケートにアンテナを立てていないと恐ろしいことが起きると述べた。その上で香山さんは、被害者の救済の必要性を強調。さらに、差別主義者の病理的背景についても「慎重に行わなければならないが、研究しないといけない」と力を込めた。
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