川崎商工会議所幸支所が主催する講演会が川崎区駅前本町の川崎フロンティアビルであり、鹿島田駅前の北野書店社長の北野嘉信氏が講師として登壇した。
「本と出会い、人と出会う 街の未来を育む地域書店」をテーマに講演。北野氏は、1947年に同社が下平間で創業した歴史から説き起こし、化学者で川崎市名誉市民の藤嶋昭氏や幸区ゆかりの絵本作家の故かこさとし氏との出会いなどについて語った。
店舗経営については「『みんなの書店、行きつけの書店』を目指し、楽しく笑顔でいられる」をコンセプトに展開。読み聞かせ会の開催や地元の生け花、押し花団体とのコラボイベントに取り組んでいる事例を紹介した。また、地域企業として、郷土本を集め、流通していない地域書籍の収集にも力を入れているとも語った。
出版業界を巡っては、出版社が次々と新しい書籍を出している実情に触れ「良い本を、時間をかけてつくるというより、自転車操業のように本が出て行っており、流通構造自体が厳しくなっている」と指摘。さらに電子書籍が売れつつある現状についても触れた。
北野氏は「紙の本は人間らしさ、五感で感じることができる」と強調。さらに「人格を作るのは『人』『本』『自然』である」と述べ、書店として「本を通じて人と人をつなぎ、次世代に残し、人を幸せにしたい」と力を込めた。
川崎区・幸区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|