毎年正月三が日に約300万人が初詣に訪れる川崎大師平間寺。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で人出は激減した。例年は節分まで賑わいを見せるが、8日に緊急事態宣言が再び出され、3連休も人出はまばらだった。門前で商売をする商店からは「何十年も商売しているがこんなことは初めて」と嘆きの声が聞かれた。
川崎大師観光協会専務理事で、大山門前で久寿餅を製造販売する住吉の森明弘さんは「店の前を通る人を見ると人出は例年の1割くらいだと思う」と話す。
毎年、店頭の甘酒販売に行列ができる高木屋酒店の高橋義美さんは「今年は行列は皆無。仕入れを控えるなどしているが、それでも余る。今は他に打つ手はない」と厳しい表情。仲見世通りのだるま店・かどや開運堂の石川智也さんは「地方からの団体客がないのは痛い」と話す。
門前町の商店の中には1月、2月で年間の約7割を売り上げる店もあるという。ある店では昨年の三が日は1日の売上が170万円の日もあったが、今年は5万円しか売れない日もあった。森さんは「外出しづらいかもしれないが、各店とも感染症対策をきちんとしているので、安心してご来店いただきたい」と話す。
人出の減少を見越して、表参道商業協同組合(山本浩文理事長)は昨年末、「川崎大師やくよけ参拝」ウェブサイトを開設。オンラインでの買い物を仕掛けた。
サイトを手がけた大谷茂さん(わらび餅・大谷堂社長)は「店の三が日の売上は去年の70%減。悪くても50%減くらいと思っていたが想像以上に厳しかった。生き残るためには今までと違う商売の仕方を考えないとならない。まだ成果は出ていないがサイトはその第一歩」と語った。大谷さんは商店街についても門前町の文化を残しながら変わっていく必要があると考えている。「大変を大変で終わらせずに、コロナに勉強させてもらったと言えるようにしたい」と意気込む。
松月庵(蕎麦店)の須山守さんは「売り上げは例年の3分の1以下になった。しかしこんな時だからこそ、お客さんが少なくなった分、一期一会の気持ちで丁寧な仕事を心がけるようにしたい」と前を向いた。
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