富士通スタジアム川崎(川崎区富士見)で旧川崎球場時代から使われている照明塔3基について、川崎市は来年度から順次撤去する準備を進めている。市はこのうち1基をモニュメント化することを検討。ただ、保存方法については未定で、市民団体の要望や市議会での意見がどう反映されるかが今後の焦点となる。
現段階で撤去のスケジュールや解体方法について市は「未定」としている。モニュメント化に向けて、市はコンサルタント業者と委託契約を交わした。市の担当者は業者からのアイデアをもとにモニュメント化していきたいとし、「現状を維持したままの保存という考えはない」との認識も示した。
一方、主にプロ野球やプロレスファンの間では、照明塔が歴史的に価値があるものとして評価の声が聞かれる。「照明塔がどこに建っていて、どんな大きさだったのか見てわかるのが重要」という意見もあり、現状での保存を求める声も根強い。一昨年には市民団体が「川崎球場遺構保存に関する請願」として、3基の照明塔と広告を掲載していた企業名の跡が残る外野フェンスを保存するよう、市議会に提出。昨年2月6日の市議会まちづくり委員会で審議された。市議会議員は安全の確保の観点から、撤去に理解を示しつつも「風景自体が文化財」「市内外から保存を求める意思表明をくみ取るべき」「市の新たな観光施設として活用した方が良い」「スポーツ文化継承において重要なもの」「民間の知見のある人と知恵を出し合って価値を見出すことが必要」と指摘。趣旨採択されていた。市は、市民団体の意見なども聞いていきたいとしている。
照明塔は高さ39メートルで1954年に設置され、61年に改修された。改修当時は日本一の明るさを誇っていたという。現在はさびが多く発生し、部材の一部に変形が見られる。
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