超高齢社会の課題解決に向け、現役高校生の柔軟なアイデアを研究に生かそうと、ナノ医療イノベーションセンター(片岡一則センター長/川崎区殿町)は12月13日、市立川崎総合科学高校でワークショップを開催。想定される課題や科学的解決策について生徒と研究者が意見交換した。
最先端技術を活用したがん治療などの研究を進める同センター。65歳以上の人口が全体の21%以上を占める超高齢社会で、人々が自律的に健康になる社会を目指している。川崎市は昨年10月時点で高齢化率が21%となり、5人に1人が65歳以上となった。
ワークショップは高校生に超高齢社会の問題に関心を持ってもらうとともに、科学や最先端技術に触れる機会を作ることも狙い。同高校科学科の2年生37人が、40代となる2045年に起こりうる問題を想定し、解決策を研究者と深掘りした。
生徒からは、労働者の減少や介護士・看護師不足、交通事故の増加、年金問題など多様な課題があがった。解決に向けては「健康寿命を延ばすことが重要」などの意見も。健康でいるために、「体に害のないたばこやお酒を開発する」「アップルウォッチを鏡のように使って顔色で体調を判断する」といったユニークなアイデアが出された。研究者からは「顔色を見るなら声色や行動などをチェックできるとよいのでは」とのアドバイスもあった。終了後、青木優空(まさたか)さんは「スピーカー型AIを使って声色がおかしければ耳鼻科に連絡がいったり、部屋に取り付けたカメラで行動を分析し体調を確認するといったこともできるかも」とより具体化した考えに至ったという。丸林思季さんは「実現不可能だと思っていたものも、できるのではと思えた。こういった研究を進めている人がいるということを学べて良い機会になった」と振り返った。
同センターの島崎眞さんは「自分自身は歳を重ね、業界や社会のことをある程度知っているからこそ、できないと決めつけがち。知らないからこそ出る高校生の発想はすごく良い。若い力に期待したい」と話した。
今回の内容は、来年1月21日のシンポジウムの座談会テーマとして、企業や大学、看護、教育などの立場から検証予定。今後、研究の参考にしていくという。
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