認知症の人が安心して暮らせるまちづくりを考えようと、大師第4地区社会福祉協議会(渡邊鉄雄会長)は9月12日、川崎区役所大師支所(川崎区東門前)で学習会を開いた。約30人の参加者は、専門家の話を聞き、町内会で取り組んでいることなどを振り返った。
川崎市によると、市の認知症高齢者数は、2020年に5・7万人超となり、市の高齢者の約6人に1人が認知症であると推計。2030年には約8・6万人、2040年には約10万人まで増加すると想定されている。
9月21日の「世界アルツハイマーデー」にちなんで行われた今回の学習会では、大師本町、大師町、東門前、昭和、中瀬に住む町内会関係者らが参加した。講演では、宮前区で「もの忘れ外来」を中心に、認知症患者と家族をサポートする高橋正彦医師が登壇。「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」をテーマに、認知症は「健康長寿の行き着く先のもので、恥ずかしい病気でない」と説いた。高橋医師は、対人交流の機会、地域のつながりが認知症予防で大事であるとも指摘。「今、認知症になっているのは皆さんの先輩方。地域で認知症対策を考えることは、地域で末長く暮らすことと大きく関係する」と強調し、個人や地域が当事者やその家族にどこまで踏み込めるのかがポイントだと訴えた。相談先として地域包括支援センター、かかりつけ医、区役所高齢支援係を挙げた。高橋医師が関わる認知症カフェ「土橋カフェ」での取り組みについて触れ、会話を楽しむ、予約なし、名札が不要など気軽に参加できる雰囲気づくりをしていることや互いに対等的立場で交流していると紹介。認知症の人が安心して暮らすには「地域の寛容な姿、差別偏見をなくす、これまでとおなじつきあいをすることが大切だ」とも語った。
講演を受け、「認知症カフェを立ち上げてみたい」「町内会で取り組むティールームを認知症の人が来やすいように発展させていく」などといった声が聞かれたほか「ひきこもりの人をどのように支援するか考えなければならない」との意見も上がった。
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