カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター/川崎区富士見)の文化ホールに設置されているスタインウェイ社製のピアノを自由に演奏できる企画が好評を博している。9月で2年を迎える同企画は、これまで137人、リピーターを含めるとのべ247人(いずれも9月16日時点)が演奏を行った。多くの人に機会を広げようと、同施設は10月からウェブサイトで申し込みの受付を始める。
「レッツ プレイ スタインウェイ」と銘打った企画は、同施設を多くの人に知ってもらうための普及事業に位置付けられている。大久保憲治コーディネーターによると、2020年4月から行われている。
「約2千人の収容人数のホールで、2千万円のピアノを、2千円で自由に演奏できる点が大きな魅力」と大久保さんは強調する。平日に開催されることから、主に仕事をリタイアしたアマチュアピアノ愛好家が利用。夏休みになると、リサイタルに備えて練習する子どもの姿が見られるという。今年の3月には、人気ユーチューバーでもあるピアニスト角野隼斗さんが同ホールでコンサートを行った。「有名人が弾いたピアノに触れられる機会と、応募する人も少なくない」と大久保さんは言う。
10月からウェブで受付
9月16日に行われた同企画に、横浜市瀬谷区から応募した山口祐子さんは「演奏すると音が降ってくるような感覚になる。音を独り占めできる。『汚い音』を弾くとすぐにばれてしまう」と語る。これまでも複数回利用し、母親や知人を呼んだ「こっそりコンサート」などの開催を通じて楽しみ、これからも利用したいという。
「レッツ プレイ スタインウェイ」は同館で3カ月に1度発行する「カルッツニュース」で告知し、開催日の1カ月前に電話で受け付ける。申し込みは先着順で行われているが毎回、10分程度で定員に達する。申し込み日の時間に電話の前にいなくてはならないことから、同施設では時代やニーズなどを考慮し、ウェブサイトでの申し込み受付に変更することを決めた。
大久保さんによると、5年前の開館当初は、スタインウェイ社製2台とヤマハ製1台を時間貸ししていた時代があったという。参加者の中には「ヤマハのピアノを弾かせてもらいたいとの要望は根強くある」ことを認識しつつ、「まずはできるだけ多くの音楽愛好家に利用し弾いていただきたい」と願う。
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