神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
川崎区・幸区版 公開:2023年5月26日 エリアトップへ

「祖国へ帰れ」は差別   弁護団、認定求める

社会

公開:2023年5月26日

  • LINE
  • hatena
記者会見する崔さん(左から2番目)と弁護団
記者会見する崔さん(左から2番目)と弁護団

 インターネット上のヘイトスピーチ(差別的投稿)にさらされ、心身をすり減らし続ける在日コリアン3世が横浜地裁川崎支部に損害賠償を求めている訴訟の報告集会が5月18日、カルッツかわさき(川崎区富士見)で開かれた。弁護団はヘイト投稿を行う男性の「祖国へ帰れ」を問題視。裁判所が差別認定するよう求めた。この日の口頭弁論で本人尋問に立った原告で市ふれあい館館長の崔江以子(チェカンイヂャ)さん(49)は「個人が司法や行政機関に助けを求めるだけではなく、ネット上の差別禁止法や包括的な差別禁止法といったルールに基づく国内人権機関によって裁判によらずとも救済される仕組みが必要」と訴えた。

 崔さんは2016年、国会で川崎におけるヘイトスピーチの被害について参考人として発言して以降、ネット上で大量のヘイトスピーチのターゲットにされている。とりわけ「ハゲタカ鷲津政彦」というアカウント名の男性からブログとツイッター上で執拗に攻撃を受け「日本国に仇なす敵国人め。さっさと祖国へ帰れ」と名指しで書き込まれた。崔さんは2021年11月18日、横浜地裁川崎支部に約300万円の損害賠償を求める訴訟を提訴した。

禁止法の後押しに

 崔さんは「帰れ」という言葉について、「多くの在日コリアンに向けられてきた言葉。「反論することもできず、助けてもらうこともできず、仕方がないと諦め、言葉を奪われてきた」と主張。「在日コリアンがもうこんなことで、傷ついているから、しんどいから、生きていられないから、助けてください。差別されないよう守ってくださいと言わなくていいような結果を得るために自分のできることをした」と被害経験を伝えたことを述べた。この日の尋問に臨むことができたのは地域に住むハルモニ(おばあさん)の支えとふれあい館の子どもたちと交わした「差別を許さない仲間を増やす」との約束を守るためにと明かした。

 神原元(はじめ)弁護士は「(在日コリアンに対しての)『帰れ』という言葉や脅迫状は、指紋押なつ拒否事件の時から連綿と続いている被害のキーワードだ」と指摘。「いくら何でもそろそろやめろという判決を出してほしい」と訴えた。また、ネット上で排外的な主張を繰り広げる「ネトウヨ」について「誹謗中傷や名誉棄損までは認めるが、人種差別までは認めない」と述べた。

 師岡康子弁護士は「帰れ」発言が歴史的な差別性があると指摘。「在日コリアンは植民地支配された結果、やむをえない事情で住んでいる。祖国に帰りたくても帰れない背景がある」と説明した。また、「『帰れ』発言が差別禁止法に明確にあたるのだが、きちんと違法とされていない。そのために被害者が非常に大変な裁判を起こさないといけない。今回の裁判で『差別』と違法との判決が出れば、差別禁止法をつくる大きな後押しとなる」と展望した。

川崎区・幸区版のローカルニュース最新6

介護の疑問、悩みを解消

介護の疑問、悩みを解消

11月17日、教文でフェス

11月15日

尾崎さんが一日消防団長

パリ五輪レスリングメダリスト

尾崎さんが一日消防団長

川崎大師で啓発

11月15日

笑いの風を吹かせる

笑いの風を吹かせる

笑吉・風林火山の2人

11月15日

彩り豊かな市民の美術

彩り豊かな市民の美術

駅前本町で美術展

11月15日

「理科好きな子のために」

藤嶋さん財団

「理科好きな子のために」

93団体へ2千万円超助成

11月15日

湯原昌幸ライブ

音楽情報

湯原昌幸ライブ

東海大学前タウンニュースホール

11月15日

川崎区社協「福祉まつり」

11月16日(土)10:00~15:00 川崎市教育文化会館

https://www.kawasakiku-shakyo.jp/

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 11月15日0:00更新

  • 12月8日0:00更新

  • 8月4日0:00更新

川崎区・幸区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

川崎区・幸区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月21日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook