62年の歴史に幕を下ろし、今月閉場式が行われた川崎市議会が11月6日、新本庁舎へ移転する。新議場は政令指定都市初となる本会議の生中継に字幕を付ける仕組みを導入。親子傍聴席の新設など工夫も凝らし、11月下旬から新議場で初の定例会が開催される。
導入された仕組みの一つは、本会議の生中継の字幕。加えて、機器を一新し、音声を鮮明に届ける中継も実現させる。生中継はインターネットや全区役所、市役所1階の情報発信スペースで見ることが可能。録画にも会議録ができるまでの間、字幕が付くようになる。
旧議場では「中継の音が聞きづらい」という声が市民から寄せられ、聴覚障害者や聴力の弱い高齢者などが試聴しやすい環境が整っていなかった。字幕が付くことで障害者などが審議内容を早く知ることができる。予算の都合上、委員会中継は字幕未対応だという。
また、一般傍聴席100席とは別に、親子で使用できる部屋が新設された。2組程度が傍聴可能で遮音性が高く、室内に会議の音声が流れ、ガラス越しに議場を見ながら、傍聴できる。個室の授乳室も設けられている。今までは、子どもが騒いだり、泣くなど、旧議場では子連れでの傍聴は難しかったことから、議会局は「多くの人が傍聴できるよう、配慮をした」としている。車椅子の傍聴席も2席から4席に増設。議員席も車椅子の議員に対応。議員席まで階段はなく、旧議場と違い、車椅子に座りながら、議会に出席できる。
「不易流行の精神持ち」
本会議・臨時会の生中継の年間アクセス数は2020年度の3万670回から22年度は4万5903回と増加する一方で、傍聴者数は減少傾向にある。18年度に361人だったが22年度は216人に留まった。議会局は「議会活動を発信することが増加につながる。ネットで見る人もいるので多様な手段で見てもらえたら」と述べた。市議会の青木功雄議長は「新しい議場においても、先人の伝統を大切にしながら、変化挑戦する『不易流行』の精神を持ち市政の発展に寄与できるよう研さんし、市議会の役割を果たしたい」と話す。
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