社会医療法人財団 石心会理事長を務める 杉山 孝博さん 幸区在勤 76歳
前向きに、先駆的に
○…川崎幸病院や川崎幸クリニックをはじめ、30の医療、介護施設の運営のかじ取り役。法人が掲げる「断らない医療」「患者主体の医療」「地域に根差し、地域に貢献する医療」を、石井暎禧前理事長らと共に、実践的な医療活動を通して築き上げてきた。「地域医療に必要なのは『高度な医療』『すぐ診てくれる医療』『心のこもった医療』」と力を込める。理事長として半年が過ぎ、その深化に力を注ぐ。
○…東京大学在学中、サリドマイド、スモンといった薬害問題に取り組んだ。被害患者と接した中で地域医療の大切さを実感。大学卒業後、当時は主流だった医局(大学病院)に進まず、「目指す医療の方向性があっていた」川崎幸病院で働き始めた。病院では25年間、救急医療の最前線に立ち、一晩で15台もの救急車で搬送された患者を診たこともある。「公害のまち 川崎」と呼ばれていた時代には、多くの公害患者やアルコール依存が訪れたが、すべて断らずに診療を行った。
○…思い出深いのは、血友病患者が自己注射治療できるよう一緒に取り組み、在宅医療では家庭透析や在宅酸素療法を先駆けたこと。「当時は認められない治療を患者と共に打破した喜びをやりがいに感じました」。1977年頃には河原町団地の自治会とともに「健康座談会」を発足。団地の高齢化が進むと、今度は配食サービス、訪問看護ステーション、グループホームなどの設置にも力を尽くした。
○…現在も内科医として診療に当たり、週3日は訪問医療に勤しむ。年50〜60回の講演や取材、執筆活動にあたり、自宅に帰れば庭木の手入れ、掃除、家電の修理などもこなす。モットーの「前向き」な心持ちで、終始笑顔を絶やさないスーパーマンだ。
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12月20日
12月13日