全国で初めてヘイトスピーチに刑事罰を科した「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が全面施行され、7月1日で4年を迎えた。ヘイトスピーチの根絶を目指す市民団体「ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク」(山田貴夫代表)は6月27日、市役所で記者会見を行った。
同条例では外国ルーツのある市民へのヘイトスピーチを公共の場で三度繰り返した人物や団体に最高50万円の罰金が科される。山田代表は「差別主義者や団体は公文書に自分たちの名前が載ることを避けようとしている」として、その過程で発出される「勧告」が一度も出されていない点を強調。無告知のヘイト街宣を監視する市民グループの誕生や在日コリアンへのネットヘイト訴訟での勝訴も条例効果に挙げ、「ヘイトスピーチを許さないことが公論として形成されている」と語った。
一方、選挙運動を名目にしたヘイトスピーチ拡散への懸念やインターネット上のヘイトスピーチ対策など課題に挙げた。ネットヘイト被害を受け続ける同ネットワークの崔江以子(チェカンイヂャ)さんは「ネット上のヘイト内容に慣れることはない。一件一件傷ついている」と語った。同ネットワークの三浦知人さんは「川崎での経験をさらに広め、インターネット上のヘイトスピーチの大きな変革をつくらねばならない」とし、ネットヘイトを規制する法律の立法化を求めていく考えを示した。
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