川崎海上保安署の署長を務める 中園 智之さん 川崎区千鳥町勤務 49歳
川崎港の安全安心を守る
○…国際貿易港として大小さまざまな船が往来する川崎港。海上の交通整理や巡視パトロール、海洋汚染の監視のため船舶からの排出物の検査も行い、港の安全を見守っている川崎海上保安署の署長を務めている。川崎で働くことも、署長という立場も初めての経験。「京浜工業地帯の一翼を担う川崎港は日本でも重要な港の一つ。安全安心を守るために何が必要か考える日々」と話す。
○…沖縄県で生まれ育った。3人きょうだいの長男。海が身近だったこと、父親が海上保安官に憧れを持っていたことに影響され、海上保安大学校の門をくぐった。実直で責任感が強い性格。規律正しい寮生活や厳しい訓練にも「やるしかない」と文句を言わず乗り越えた。「日々課せられた課題で毎日いっぱいいっぱいだった」と当時を振り返る。一番の思い出は卒業前に行った遠洋航海の実習。3カ月かけ世界を一周する航海は、視野や興味を広げ、仲間たちの絆を深める忘れられない日々だった。
○…現場勤務になり、2011年6月から2年間、宮城県の塩竈で過ごした日々も忘れられない。大震災から3カ月、震災の面影が色濃く残り、船で行方不明者の捜索などを行った。それでも、少しずつ日常を取り戻していく被災地を見ていると、何気ない日々の生活の大切さを実感し希望に感じたという。
○…川崎に着任し署員には「自分や家族という生活の基盤を第一に考えて仕事にあたってほしい」とプライベートの大切さも伝えた。自身は、川崎で知り合った人に誘われ沖縄県人会に入会。定期的に開かれる催しや100周年記念式典にも参加し交流を深めている。「縁のひとつだと感じる。やっぱり同郷の人と話すのは落ち着く」。息抜きにもなっている。
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9月13日
9月6日