言葉巧みにだまして金品を奪う「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」などの特殊詐欺被害。神奈川県内の6月末時点の被害件数は834件で昨年比マイナス171件だが、被害金額は約21億7700万円で前年比増と被害は後を絶たない。
特殊詐欺は多様
特殊詐欺には、息子や孫になりすました電話で仕事でのトラブルなどを口実に金銭を要求する「オレオレ詐欺」、インターネットやハガキで、未払いの料金があるなど架空の事実を口実とし金銭等をだまし取る「架空料金請求詐欺」、キャッシュカード変更手続きを装い、キャッシュカード、クレジットカード預貯金通帳等をだまし取る「預貯金詐欺」、役所の職員をかたり、医療費の過払いや年金の未払い分などを還付するといってATMで送金させる「還付金詐欺」などがある。また、金融機関をかたり「旧紙幣は使えなくなる。回収して新紙幣と交換する」など新紙幣発行に便乗した詐欺にも県警は注意を喚起する。
川崎臨港警察署の石崎弘志郎署長は「特殊詐欺の被害者は、高齢者の方が多いが最近のSNS型投資詐欺の手口では、30代から50代の方も被害に遭っている」と指摘する。「(決して他人事ではない、)誰もがだまされる可能性がある」と川崎警察署の加藤和男署長は呼び掛けている。
では、被害に遭わないようにするためには、まずは家族や親族の間で、連絡先を確認することが重要。そして、迷惑電話防止機能のある電話の設置も有効だ。
闇バイトで特殊詐欺加担者に
SNS上で高額収入をうたい、気軽に応募した結果、特殊詐欺に手を染めてしまうケースも後を絶たない。いわゆる「闇バイト」と呼ばれるもので、犯罪に加担する少年が増えている。
「警察に捕まるのはほんの一部」「捕まっても組織が弁護士とかつけてなんとか助けてくれる」「断ったら、どうなるか分かってるよな。裏にはヤクザがついている」。こんな言葉にはだまされず、加害者にならないよう注意したい。
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