自転車事故の防止を目的とする改正道路交通法が11月1日から施行される。酒気帯び運転やスマホを利用しながらの「ながら運転」などが取り締まりの対象になるが、自転車事故の多い川崎市でも、安全な自転車走行に関する啓発活動に力を入れている。
改正道路交通法では自転車走行時の危険行為を罰則付きで禁止する。運転中に通話したり画面を見たりするスマホの「ながら運転」の違反者には6カ月以下の懲役か10万円以下の罰金が科され、事故などを起こした場合は1年以下の懲役か30万以下の罰金が科される。酒気帯び運転も違反者は3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられ、酒を提供した飲食店や同乗者にも懲役や罰金が科せられる。
川崎市で2023年に発生した交通事故(2753件)のうち自転車関係の事故は34・2%を占める。神奈川県内でも自転車事故が多い傾向があり、市内7区のうち宮前区をのぞく6区が神奈川県交通安全対策協議会による「自転車事故多発地域」に指定されている。市の担当者によれば、平たんな場所と、生活道路での事故が多いという。
市では12年度から「自転車マナーアップ指導員」が自転車事故の多いエリアを巡回し、二人乗りや「ながら運転」などの危険な走行者に是正を促し、「マナーアップカード」を配布する活動を続けている。23年度のカード発行枚数は6015枚で、このうち一時不停止が1436件と最も多く、イヤホン使用が1259件、信号無視が952件だった。
11月からは、これまで「是正指導」で済んでいた行為が取り締まりの対象になる。市の担当者は「啓発を続けるが、自転車に乗る人自身が意識しなくては違反も事故も減らない。ルールを守り安全な走行を心がけてほしい」と話している。
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