西宮神社開門神事「福男選び」で10日、一番福を勝ち取った 鈴木 隆司さん 麻生区在住 21歳
快足飛ばし「福」届けたい
○…えびす様をまつる総本社、西宮神社で本殿参拝の一番乗りを果たした。「テレビで毎年見ていて、一度やってみたいとずっと思ってた」。場所割りの抽選で先頭5番目を引き、満を持して早朝6時の開門を待つ。約230メートルを疾走し、5千人規模の参加者の頂点に立った。「本殿前の坂を登り切って先頭だったので、いけると思った。あとは気合いだけ」。歓喜の瞬間を笑顔で振り返る。
○…岩手県花巻市生まれ。大船渡市に住んでいた中学3年生のとき、体育館で卒業式の予行練習中に東日本大震災に遭った。「すごい揺れがきて、みんな一斉に校庭に避難した」。自宅のアパートが被災し、小学校の避難所で過ごした数日間は忘れられない。「『福男』はみんなに福を届けるのが役割。被災した地元に帰って、行事に参加できれば」。津波発生時の高台避難を継承しようと、岩手県釜石市で毎年2月に行われる「新春韋駄天競走」への出走も視野に入れている。
○…スポーツ少年団のハンドボールクラブに小3から入団し、中学校ではサッカー部へ。陸上部にも在籍し、中3の春には、県内百数十チームが集まる駅伝大会で2位に輝いた。部活動で走り込みは慣れたものだが、今回初挑戦だった福男選びでは「長い直線の道で、持久力が心配になった」と苦笑い。走っているときは夢中で周りが見えず、気づいたら1着だったという。行事の後は2番、3番の福男と一緒に、大阪市内の商店街や百貨店、企業に福を届けに回った。「呼ばれればいろんな場所に行って、イベントにも参加したい」
○…多摩区の専修大学生田キャンパスに通う、パイロットを夢見る経済学部3年生。大学のボランティアグループ「SIV」に所属していた2年時は、石巻市の小学校や仮設住宅を訪れ、交流や除草活動に携わった。「今年はみんなを元気にする一年にしたい」。希望に胸を膨らませ、2017年を駆け抜けていく。
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