現代社会に鋭いメッセージを突きつけるアーティストを発掘する「岡本太郎現代芸術賞」(TARO賞)の受賞者が今月、発表された。意欲的な作品26点が多摩区にある川崎市岡本太郎美術館に集まり、4月9日(日)まで展示されている。
20回目の今回は、応募総数499点から26人(組)が入選。市内からは照屋美優さん(29)=川崎区在住=が選出された。最高賞となる岡本太郎賞には、山本直樹さん(53)の「Miss Ileのみた風景」=写真=、岡本敏子賞に井原宏蕗さん(28)の「Cycling」が選ばれた。
山本さんは、ガラスに囲まれた空間に角砂糖を並べて、日本の街並みを制作。人が近づくとミサイルの発射音が鳴り響き、照明によって街が明るく照らし出されるよう演出を施している。ガラスには「暗殺」や「保育園落ちた 日本死ね」などといった社会問題を意識させる言葉をグラニュー糖で浮かび上がらせている。山本さんは「Miss Ile(ミス イル)とはミサイルのこと。擬人化して、ミサイルから今の日本を眺めたらどんな風に見えるか想像し、『今』の日本を表現した」と作品アイデアのきっかけを語る。
審査員からは「スイートな砂糖で都市を形成する点においても今日性と社会性で優れた作品」と評された。
開館は午前9時30分〜午後5時。月曜、祝日の翌日は休館。
問い合わせは同館【電話】044・900・9898。
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