光が丘公民館「文化展」に手作りの『ミニSL』が展示された 丹羽 保明さん 光が丘在住 75歳
ミニSLに魅せられて
○…自ら製作した模型蒸気機関車(以下ミニSL)2号機(全長120cm、幅20cm、重量49kg)が10月開催された光が丘公民館の文化展で展示された。一番好きな機関車「C-58」をイメージし、6年の歳月をかけて製作した大作。実際に走らせることもでき、「大人なら4人、子どもなら8人までなら乗せられるよ」と笑った。
○…岐阜の田舎町で育った幼少時代。SLは唯一の交通手段だった。母に手を引かれ乗車するたびに、巨大な鉄の塊がなぜ動くのか不思議だった。「いつか秘密を解明し、自分も作ってみたい」。老後を前に、これからの人生を模索したとき、当時の夢が鮮明に蘇る。定年後、「自家用車が一台買えるくらい」の私財をはたき、工作機械を購入。寝る間を惜しんで、ミニSL製作に熱中した。
○…子どもの頃から機械いじりが大好きだった。小学生でモーターを、中学生でラジオを自作した。高校卒業後は上京し、電気通信大学に進学。電気工学を学び、卒業後は技術者として富士通に入社した。データ通信部門でテレックスや無線など、黎明期の通信事業に携わった。ひ弱なガリ勉タイプではなく、スポーツも好んでプレー。中学で野球、高校ではバレーボールで汗を流した。大学にバーボール部が無いことを知ると、仲間とともに部の設立にも奔走した。ミニSL作りへの集中力はスポーツで養われたのかもしれない。
○…今は2号機よりもひと回り大きい3号機の製作を進めている。設計と製作が同時進行の初めてのやり方で、目指すは来秋の完成だ。「大人が15人程度乗れるようにしたい」。乗車した子どもたちの満面の笑顔を原動力に製作への情熱はまだまだ尽きない。「孫よりも小さい子たちが、喜ぶ姿は嬉しくて」。最新のミニSLが笑顔を運ぶ未来を想像し、思わず顔がほころんだ。
|
|
|
|
|
|