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さがみはら中央区 人物風土記

公開日:2015.08.06

声楽家として活動し、8月15日(土)・16日(日)に町田市民ホールで発表会を開催する
佐藤 のりこさん
田名在住 64歳

オペラを皆のものに

 ○…オペラの発祥地・イタリアで25年間、第一線を走り続けた経験を持つ声楽家。オペラの中でも低く、太い声が特徴のドラマティック・ソプラノの歌い手として温かな音色と豊かな声量、本場で培った演技力を携え、国内外問わず様々な舞台に立ってきた。約15年前に帰国後は、音楽教室やコンサートの開催を中心に後進の育成とオペラの裾野拡大に尽力。教え子たちの発表会は今回で54回目を数える。

 ○…地域のイベントで有名だった「歌の上手いのこちゃん」が本格的に声楽家の道を志したのは高校生の時。類稀な声の良さに太鼓判を押した音楽教師の勧めで東京藝術大学へ。卒業後、更なるレベルアップを求めイタリアに留学。ミラノ・ヴェルディ国立音楽院を首席で卒業した。レッスンやコンクールでは指導者や審査員の厳しい言葉に挫折しそうになったこともあったが、「へこたれていてもしょうがない」と自らを鼓舞。異国の地で、耳の肥えた観衆を魅了し、数々の国際コンクールで栄冠に輝いた。「自分の歌で観衆が涙しているのを見た時は、歌っていてよかったと思った」。

 ○…「これからはいわゆる女性の幸せを味わおうと思って」。帰国後、60歳を過ぎてからは仕事一筋の生活から一転、料理やガーデニングも楽しむ毎日。毎朝、あらゆる野菜や果物などを使って作るジュースは娘からも好評だ。「今までは娘に『おかえり』と言ってあげられなかったけど、今はそれがいくらでもできる」とほほ笑む。

 ○…「オペラの魅力は誰もが歌で胸のうちに秘めた感情を表現し、伝えられること」。教室の生徒たちは、主婦や定年退職をした人など趣味としてオペラを楽しむ人がほとんど。今後はこれまでの経験を生かし、教室を通して、オペラの魅力や、趣味でも本格的なレベルに到達できることを伝えていくのが使命。オペラを皆が楽しめるものにするために。

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