市は学習環境の向上を目的に昨年度から取り組む「小中学校空調設備設置事業」を受けて、市内の全公立小中学校の教室や音楽室などにエアコンを設置する。緑区の一部と、南区の複数の学校には既に騒音対策として教室にエアコンが設置されているが、中央区では初となる。今年度以降、市内全公立小中学校で順次工事が進められていく。
同事業は、市が2014年度から2016年度までの事業計画を策定した「新・相模原市総合計画」での取り組みの一つ。昨年度は設計費に2400万円を計上し、今年度は工事費として7億6520万円を計上し準備を進めてきた。
設置のスケジュールについて市では、教室などにエアコンがない学校のうち、児童・生徒が多い学校から優先して実施する方針をとっており、今年度は上溝中、旭中(緑区)、相陽中(南区)など市内11の中学校(表参照)で取りかかる見通し。残りの学校については順次進めていく予定だが、設置が完了しても実際に使用できるのは次年度以降になる。
市内の公立小中学校では、既に南区を中心に23校でエアコン設置が完了しているが、これらはいずれも騒音や臭気の影響で窓を開放するのが困難だったことが主な理由とされる。今回はこうした対策に一定の目途が付いたことや、近年厳しさを増す夏場の暑さを軽減し、子どもの授業に対する集中力を確保する必要があったことなどから、全校での設置が決まった。
全国的にも教室にエアコンを設置する自治体は年々増えており、県内の他の政令指定都市では川崎市が2009年に、横浜市が2013年に全公立小中学校の普通教室への設置を終えている。両市は現在、普通教室に加え、特別教室への設置に取り組んでいる。
夏場の食欲低下防止も
2012年度に教室へのエアコンの設置を終えた若草小学校(南区新磯野)の大西輝佳教頭は「設置されたことで授業への集中力が増しただけでなく、夏場の暑さで給食を残す児童も少なくなるなど児童の体調管理の面でもプラスになった」と学習面以外での効果についても強調する。市は冬季もエアコンの使用を想定しており、現在各校で使用している「FF式ファンヒーター」から徐々に移行していく考えだ。
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