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さがみはら中央区 人物風土記

公開日:2016.12.22

市内歴代38人目となる市民文化表彰を受賞した
長野 信一さん
南区東林間在住 70歳

3分間で世界中笑顔に

 ○…「腕を前から上にあげて、大きく背伸びの運動から―」。朝の6時30分、ラジオから張りのある気持ち良い声が流れると身体は自然に動いている。もう日本人に染みついた体操だ。体操指導者として長年にわたりラジオ体操の普及啓発活動を行い、市民の健康づくりに寄与したことなどが認められ、このたび市民文化表彰を受けた。昭和49年以降、38人目の受賞となる。

 ○…代々木で生まれ、明治神宮を庭のように走り回った少年は中学2年で相模原市へ。野球や柔道に励み、体育教師をめざして進学した日本体育大学で、体操に出合った。卒業後は日本レクリエーション協会に入り、全国各地でレクリエーションの指導へ。縁あって数年後、NHKのラジオ体操オーディションに合格。昭和56年から平成22年までの29年間、ラジオ、テレビの顔を務めた。

 ○…「第一」だけで3分。流して行えば気軽な体操だが、「人間の名前のつく650の筋肉のうち400を動かしている」というから奥深い。自宅近くの公園で、はたまた主張先で、1日1度を欠かさない。加えて夕方のウォーキングと身体を動かす習慣のおかげか大病もせず薬に縁のない生活を送る。「健康づくりはもちろん、外で行えば顔なじみもでき交流の機会にも。大きく言えば”街づくり”でしょうか」と笑みをこぼす。

 ○…昭和3年に発祥し90年、国民的体操の地位を確立した一方で今、「知らない子どもが多い」と危惧する。国内の小学校へ出向いて授業を行う一方、児童へ指導ができないことがないよう教員向けにも行う。世代を超えた普及活動は海を超え、ブラジル、マレーシアなどで外国人と共に身体を動かす。「言葉は通じなくともしっかり動かしてくれる。私の帰国後も自分たちだけで続けてくれているよう」と手ごたえも実感。来る2020年、母国開催となる東京五輪で「世界一斉ラジオ体操」という壮大な夢も描いている。

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