今年3月、上溝にオープンする子育て支援施設「オハナ」の施設長を務める 村田 かなえさん 上溝在住 32歳
「家族」の輪 広げたい
〇…一昨年に横山台で開業した「オハナ」。利用者、従業員問わず誰もが下の名前で呼び合い、オハナの意味する「家族」のように過ごす。親子で遊べる時間などを設けて地域の子育て世帯を支援する一方、運営会社の企業内保育所としての役割も担う。昨年、市内で唯一、内閣府が創設した「企業主導型保育事業」の助成を受けた。3月には上溝の地へ移転、再スタートを切る。「自分を育ててくれた人たち、地域へ、子育て支援を通じて恩返しができれば」
○…保育士として働く姉に感化され、保育の道へ。大学卒業後は児童養護施設に勤め、親から虐待を受けた過去を持つ子どもたちの支援に従事。どんな環境下でも親に会える日を心待ちにしている子どもの姿に触れ、子どもだけではなく「親子」に対する支援をしなければ児童虐待の根本的な解決にはならないと気づかされた。その後、児童相談所や保育園にも勤めたが、「一人ひとりに行き届く支援」を形にしたいと施設の開設を決意。「虐待はどんな家庭にも起こりうること。施設で過ごす中でそこにつながる小さなストレスを解消できたら」。そんな思いが、オハナの根底に流れている。
○…仲良し3姉妹の末っ子。母は元幼稚園教諭、姉二人も保育現場の経験者だ。今は、家族で施設の運営に携わる。趣味も多彩で、長年続けている書道は「師範」まであと一歩。健康のために、アロマコーディネーターの資格も取得した。「興味を持つとトコトンやっちゃうんですよ」
○…幼い頃から、家族や周りの人の愛情を受けて育った。「地域の人も『家族』のようで、大好きなんです」。そんな「家族」に支えられ、どんなに辛いことも乗り越えてきた。だからこそ、オハナに通う子どもたちにも、壁にぶつかったとき「誰かに頼る」という選択肢を持ってほしいと願う。オハナから「家族」の輪を広げ、親子に寄り添う子育て支援を、自身が生まれ育ったこの地で体現していく。
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