急性心不全のため、2月21日に66歳で急逝した俳優の大杉漣さん。実は今から10年以上前、映画の撮影で大杉さんが相模原市を訪れたことがあった。ロケ地となった南区の商店街「サウザンロード相模台」でも、突然過ぎる訃報に驚きと悼む声が上がっている。
同商店街で撮影された映画とは門井肇監督の「棚の隅」(2006年)。連城三紀彦氏の原作に惚れ込んだ相模原市在住の小池和洋氏がプロデューサーを務めた作品だ。大杉さんが演じたのは小さなおもちゃ屋の主人役。そこでロケ地に選ばれたのが同商店街の「おもちゃのあだちや」だった。店長の美野則子さんは当時について、大杉さんと交流する時間は多くなかったが、「写真撮影やサインに快く応じてくれた」と振り返った。大杉さんと一緒に撮った写真と、『あるがままに』と書かれたサインは今も店内に飾られている。「いつもテレビで見ていたので本当にびっくり。残念です」。大事に保管してあった映画の記事やチケットを手に美野さんは寂しそうに話した。
プロデューサーの小池氏も当時を振り返り「製作費が少ないのに、熱意に応えてくれる方。過去に厳しい現場を経験している方なので、一体で作ろうと積極的な姿勢で臨んでいただいた。お茶目でもあり、現場もすごく助けられた。また一緒にお仕事しましょうと言いたい」と大杉さんを悼んだ。