市は9月1日から、市内のデリバリー給食を実施している中学校において、家庭環境を理由に昼食が用意できない生徒に対し無償で給食を提供する制度をスタートさせる。
生徒が昼食を食べることができない状況を迅速に解決しつつ、生徒の家庭環境における課題を発見することが目的。関係機関と情報共有・連携して課題の根本的な解決に結びつけることで、生徒の生活の安定化を図り、健全な成長を促していく。
現在市内の中学校における昼食は、全員喫食のセンター方式を採用している津久井地域の7校を除き、30校でデリバリー給食を採用。弁当などを自分で用意するか、市教育委員会の栄養士が作成した献立のデリバリー給食を事前に予約するかを家庭ごとに選択する形がとられており、約40%が給食を利用している。そんな中、昨年8月に30校の全生徒15500人を対象に行った調査では、「たまに」もしくは「毎日」昼食を食べていないと答えた生徒が20数人いたという。
これを踏まえ市は、昨年11月から、予約や持参を忘れた生徒も含めて、昼食を用意できない生徒に対して、臨時的・緊急的に給食の無償提供を行ってきた。市は今回、昼食の支援制度を立ち上げることで、昼食が用意できないことを改善するだけでなく、それを「サイン」と捉え、生徒の家庭環境における課題の解決の糸口としたい考えだ。
併せて市は、経済的に困窮している世帯に対して学用品や給食費などの費用の一部の援助を行う「就学援助」の認定世帯のうち、希望する中学生に、事前の払い込みを不要にして給食を直接提供する仕組みを整えた。給食費の事前の払い込みという保護者の一時的な負担をなくし、対象の生徒が給食を利用しやすくする狙いがある。