相模原市立博物館レポvol.12 相模原の幕末・維新の痕跡 歴史担当学芸員 木村弘樹
勝海舟、榎本武揚、三条実美…これらの幕末・維新のヒーローの名を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。実は、こうした幕末・維新の英雄たちが関わった文化財が、意外にも相模原にもあります。そこで、今年が明治150年にあたることから、市立博物館では、明治150年関連企画展「相模原にもある幕末・維新のヒーローたちの痕跡」を10月21日(日)まで開催しています。
イチオシの展示物は、榎本武揚書の「新磯学校木扁額」と三条実美書の「上溝学校木扁額」(いずれも市登録文化財)です。榎本武揚は五稜郭で戦った旧幕府方のリーダーで、一方の三条実美は維新後に太政大臣にもなった新政府方の重要人物です。今回の企画展では、この旧幕府側と新政府側の二人の両雄の校名額を、初めて並んで展示致します。
また、剣術の達人でもあった勝海舟が、現在の緑区葉山島に道場を開いた弟子に与えた「直心影流関係資料」や、西郷隆盛、山岡鉄舟書の掛け軸などの展示の他、徳川慶喜書の「清兵衛新田開墾記念碑」などを写真パネルで紹介します。
展示会場の後半では、幕末・維新期の市内の歴史にかかわる資料を多数展示します。注目は、慶応3年(1867年)に江戸城内で使われたと考えられる諸大名の概略が記された「蓮乗院の順席」(市指定文化財)で、この「順席」という資料は国内でも2例しか残っていません。
この企画展により、歴史がないといわれがちな相模原にも貴重な文化財等が多くあることを知っていただき、郷土への愛着を深めてもらう機会になれば幸いです。
■相模原市立博物館(高根3の1の15)【電話】042・750・8030
|
|
|
|
|
|
|
<PR>