相模原でキラリと光る人や場所に焦点を当て、深く掘り下げた、相模原のディープな情報を満載したフリーペーパー「まちゆめ」。その取材から記事執筆、編集、印刷、配架までの発行にかかわる全ての作業を一手に行い、「まちゆめ」を通して、地元の人に相模原の魅力を改めて知ってもらおうと奔走しているのが今井英貴さんと新井雅由妙さんだ。
2人は2016年3月に「相模原を活性化させるために何かしたい」という思いを持つ人が集い、情報やアイデアを共有し、助け合う場「相模原まちゆめ広場」を発足。「まちゆめ広場」として何かしたいという話をしていた中で2人が参加した「地域プロデューサー養成講座」でフリーペーパーに関する先行事例を聞き、「これなら自分たちにもできるのでは」と「『とりあえずやってみよう』と勢いで」はじめた。
相模原で頑張っている人にフォーカスすること、まだまだ知られていない場所を紹介することに重きを置く「まちゆめ」。現在、取材や編集は今井さんと新井さんを含む3人で行っているが、右も左もわからないままスタートさせたフリーペーパーの製作は、当初、苦労の連続だったという。今井さんが書きあげた超大作を限られたスペースに収めるためにカットするのが「本当に大変だった」と新井さんは笑顔で当時を振り返る。
もともと「相模原放送局」の運営を通して、地元で活躍している人や知られていない場所を紹介することに力を入れている新井さん。「相模原に40年住んでいるけれど、私自身、知らないことがたくさんある。皆さんにも知ってほしいし、好きになってほしい」。放送だけでなく、フリーペーパーという形でも相模原の魅力を改めて発信できればと考える。そして、「まちゆめ」が地元・相模原に興味を持つきっかけになり、その人に会いに行ったり、イベントに参加したりするきっかけにもなればと願う。自身は大人になってから相模原のことを知るようになったが、もっと子どもの頃から地域にかかわっていればとも思う。だからこそ特に子どもたちにとって地域にかかわるきっかけになればとも。
「互いの区のことを知らないことが多い」。今井さんは、毎回3区それぞれの情報を掲載することを心がけ、3区が互いのことを知る機会になればと力を込める。その上で、「まちゆめ」を今後は市外にも配布することで相模原を観光地としてPRすることにもつなげたいと展望を語る。また、「地域の課題はそれぞれの生活の課題だと思うんです。だからこそ、「まちゆめ」が地域の課題を自分事としてとらえるきっかけになれば」とも語る。特に男性の立場から、「親父の力が強い所って、地域自体が元気なんですよね」。家庭と仕事以外に自分の居場所を見つけるのが難しい男性にはぜひ「まちゆめ」を通して地域の中に自分の居場所を見つけてもらうことで、地域の活性化につながればと期待を込める。2人の「まち」に対する思いと「ゆめ」を形に。2人の取材行脚は続く。
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