光が丘地区で3日、同地区の中学生らが区長や警察署員と地域の課題について意見交換を行う「まちづくりサミット」が開催された。生徒らが直接、市や行政機関へ意見する機会は市内では稀。会議では自転車事故対策や防犯の取組みについて自由闊達な意見が挙がった。
同地区では、地域活性化のために子どもの忌憚(きたん)のない意見を取り入れようと、5年ほど前から独自に「中学生会議」を行っている。こうした中、中学生が同会議に真摯に取組んでおり、有益な意見や話し合いが生まれていることから今回、区長らと意見交換を行う機会が初めて設けられた。
当日の会議には、それまで準備を進めてきた弥栄中と緑が丘中学校の生徒10人に加え、中学生会議のOBである高校生も参加。市と行政機関からは、小山秋彦中央区長、相模原警察署の山縣一弘交通第一課係長ら6人が出席した。
自己紹介の後、中学生が用意したテーマに沿って両者が意見交換を実施。中央区は自転車事故多発地域であることから、まず「自転車事故対策の取組み」について話し合われた。中学生からは市の自転車事故対策についてや、運転時に感じた危険箇所を写真で紹介し、市と警察の意見を求めた。これに対し小山区長は、啓発のマナーアップデーを行っている点や昨年12月に自転車条例が制定された点、HPで自転車事故マップを掲載している点などを紹介した。
小山区長と山縣係長が意見を述べた後、中学生から「自転車の条例は初めて知った。市民の認知度を高めるために何かやっているか」と質問が挙がると、小山区長は「様々な取組みを行っているが、PR不足は周知している。どう広報するのが効果的か」と中学生らに逆質問。これに対し生徒たちは「地域のお祭りで宣伝してもいいと思う」「条例名をユニークな名前に変えてみては」「授業の中に取り入れるのも良いのでは」といった子どもならではの自由闊達な意見を挙げ、小山区長らは一つ一つに真剣に耳を傾けた。
子どもの発想に感嘆の声
続いてテーマに上がった「防犯への取組み」では、中学生が下校や塾の帰宅時などの際、防犯灯がなく危険と感じた道路や側道を紹介。防犯灯の設置にあたっては、小山区長が「優先度を決めるためにもまずは自治会の人に相談してもらうのが良い」と話すと、OBである高校生は「子どもから自治会に話を通すのは難しい面がある」と意見を述べた。その後、中学生に対し「生徒会を通して意見をまとめ、自治会にあげてみては」とアドバイスを送るなど、生徒同士が意見交換する場面も見られた。このほか会議では、「成人年齢引き下げへの市の対応」「登下校時に気になる点」「高校の統廃合」などに関しても質問。会議を通し大人顔負けの意見を述べた中学生らに対し、傍聴席の大人たちからは感嘆の声が上がっていた。
会議後、小山区長は「大人の目線だけでなく、皆さんの意見を聞けて変えなきゃいけないことがあると理解できた。今日頂いた意見はきちんと各担当に話しておきたい」と感想を述べた。
同地区青少年指導員の佐伯行弘さんは「子どもたちは意見を聞いてくれたことにとても満足している。動じることなく普段通り、自分たちの言葉で表現できたのが良かった」と評価し、「子どもたちが上に対して意見を上げにくいことに気付かされた。今後も続けていければ」と話した。
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