市もPⅤで後押し
JAXAは6月25日の記者会見で、小惑星リュウグウで生命起源に迫るためのサンプルリターンミッションに挑んでいる探査機「はやぶさ2」が、帰還前最後の大仕事となる2回目のタッチダウン(着陸)を7月11日(木)の午前11時頃に行うと発表した。4月に生成したクレーター付近に着陸し、地下物質の採取に世界で初めて挑戦する。市内でもパブリックビューイング(PV)を市立博物館で実施するなど、市を挙げて盛り上げていく。
はやぶさ2は2月にリュウグウに着陸。その際に地表から表面試料を採取できたと見られている。4月には世界初の人工クレーターを生成した。今回、地下物質を採取する試みが決定したことで、一つの任務で一つの天体の複数地点から物質を採取する世界初のマルチサンプリングに期待が寄せられる。
今回着陸の目的地としたのは、人工クレーター付近の半径3・5m地点。5月末、着陸時に目印となるターゲットマーカをわずか3m離れた地点に落とすことに成功した。6月中旬には、目的地を観察し、障害になり得る高さ70cm以上の岩が存在しないことを確認。しかし、着陸時、ターゲットマーカに向かう際に必要となる探査機底面のカメラは1回目のタッチダウンによる砂塵で曇っており、着陸の精度が下がることが懸念されていた。そこで1回目のタッチダウンより低い位置から探査機を降下させることで、視野を狭めて受光量の低下を補う対策を取った。
着陸が成功すれば、クレーター生成時に深さ約1mから噴出した地下物質の採取に移る。既に採取したとされる表面試料と、太陽系などの影響を受けにくい地下物質の両方を持ち帰る予定。小惑星の表面に存在する物質は、太陽系や宇宙線の影響を受けやすく、性質が変わりやすいため、両者を比較分析することにより、リュウグウの特徴である黒色物質の成分の解明につなげたい考えだ。それに加え、隕石のように加熱を経ていない物質を分析することによって、太陽系や生命の起源解明の糸口も得られるとしている。
25日に行われた記者会見では、津田雄一プロジェクトマネージャが「はやぶさ2のミッションそのものが挑戦。今回も挑戦しないという選択肢はない。積み重ねてきた自信をもとに、冷静にタッチダウンを遂行したい」と意気込みを見せた。
はやぶさ2は2回目のタッチダウン後、今年の11月、12月頃にリュウグウを出発し、来年末の帰還をめざす。
博物館で中継
JAXAでは2回目のタッチダウンに際して11日、管制室の様子をライブ配信する予定だ。それに合わせ、相模原市立博物館では、一般市民を対象にパブリックビューイングを実施する。市を挙げてタッチダウンの成功を後押ししていく構えだ。時間など詳細は決まり次第、同館のHP(http://sagamiharacitymuseum.jp/)に掲載される。
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