製造の2本柱は「紙」と「化成品」。輸送時の衝撃から製品を保護する紙製の筒(紙管)や容器などを製造しており、梱包の際の緩衝材として活用されている。紙を加工し積層するため、角紙管の縦からの強度は500kg。かつてはエアコンの室外機などの輸送に重宝されたという。
化成品の代表格は乾燥剤「シリカゲル」。もともと同社は「湿害から製品を守る」をモットーに、シリカゲルの加工、販売を開始。電電公社(現NTT)に湿気によるサビから精密機器を守る効用を認められ、需要が拡大したという経緯をもつ。淵野辺の他に国内に3工場、東南アジアなどに関連企業6社を擁すまでに成長し、再来年には創業60周年を迎える。
同社の強みは、中小企業ながら開発・研究スタッフがおり、製造時の技術を自社内で新しい分野に転換させられること。近年では、袋詰めのノウハウを生かした携帯用トイレ「すいふよう」の製造を開始した。紙製品においても、紙製の筒を自由につなげて好きな大きさに組み立てられる棚を手掛けるなど、変化する時代のニーズを的確にとらえる。