麻布大学(浅利昌男学長)の伴侶動物研究室で続けている保護犬の受け入れ実習が、今年度で10年を迎えた。
今まで引き渡した頭数は74匹。毎年春に福島県の被災地などから保護犬を受け入れ、学生たちが世話やしつけを行う。その年の秋から里親を募り、引き渡すまでが実習の流れとなる。被災地支援が目的だが、同研究室の茂木一孝准教授は、「被災地で傷ついた犬が人との交流でどう変化したかを研究論文にまとめて発表した学生もいる。学術的にも、社会貢献の意味でも意義のある取り組みでは」と話している。
今年も里親を募集
今年度受け入れたのは4頭。学生たちは4チームに分かれ、約半年間、それぞれ1頭と向き合う。同大3年の杉田果穂さんの班は、白くてぷっくりした頬から名のついたおじいちゃん犬「だいぷく」を担当。顔合わせ当初は興奮して噛むくせがあったというが、同じメンバーで根気よく世話を続け、今では穏やかな性格がチャームポイントだ。「犬の飼育経験者で、なおかつ現在他の犬や猫を飼っていない人がだいぷくと合っていると思う」と杉田さん。別れは名残惜しいが、だいぷくに新しい飼い主が現れることを心待ちにしている。
里親の申し出や各犬の詳細は【URL】https:// sites.google.com/carazabu.com/azabu-training- jisshuu /または、同研究室【メール】 azabutraining@gmail.comへメールを。