自治会員による専従の自主防災組織「独立防災隊連絡協議会」を編成するなど、日ごろから活発な防災活動に取り組んでいる光が丘地区。同地区では、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大を受け、災害時の避難所運営について検討を進めている。4日には「光が丘地区防災隊役員・避難所運営協議会会長会議」が開かれ、同協議会の役員と避難所運営協議会の会長ら12人が、今後の地域防災について意見を交わした。
新型コロナ感染症の拡大防止が叫ばれる中、災害発生時に避難所での集団感染を避けるための対策が全国的に急務となっている。政府は4月1日、各都道府県や政令指定都市などに対し、災害発生時の感染症対策について、通常よりも多くの避難所を開設する「分散避難」の検討などを記した基本的な対処方針を通知。4月7日には、それを補完する内容で、さらなる方針を通知した。
こうした中で、地区内29自治会それぞれに独立防災隊を組織し、従来から積極的に自主防災に取り組んでいる光が丘地区自治会連合会(割柏秀規会長/加入約7500世帯)のメンバーが5月7日、避難所での具体的な感染症対策を問う要望書を市に対して提出した。
要望書には、車中泊やテント泊を目的とする学校の校庭の開放や、傷病者・要援護者などを分離・間仕切りするため教室の開放、医療用機材の備蓄・配布、分散避難などの住民への広報などを盛り込み、併せて地区独自の感染症対策ガイドライン案も提示した。同連合会の割柏会長は、「多くの人が集まり、3密(密閉・密集・密接)に陥りやすい避難所での感染拡大防止のためにどのような準備・運営をすべきか。市の考えを示してもらいたかった」と要望書のねらいを話す。
加えて同連合会では要望書提出と並行し、自宅が倒壊・焼失していない場合はそこに留まることや、避難時は指定場所のほか親戚や知人宅、車中・テント、自治会館などに分散することへの協力、感染症対策品も含めた在宅用の備蓄、閉じ込め防止のための避難通路の確保などを呼びかけるチラシを8千部作成。5月中旬に各戸へ配布した。「自分らでできることは最大限に行う。1回で終わらないよう第2、3弾と周知徹底していきたい」と割柏会長は取り組みへの思いを語る。
「校庭の使用」に成果
市は5月15日、同地区からの要望に文書で回答した。避難所については、要望の中にあった「校庭の使用」の協力を各小中学校、義務教育学校に対して依頼する旨の回答があった。市の担当者は、「要望書の内容は市の考えとほぼ一致していた。早期に回答できた」とし、「光が丘地区は防災意識が高くまとまりがある。ここまで熱心に検討を重ねている地域は他になくありがたい」と話した。併せて、市は回答の中で「東日本台風やコロナ感染症への対策を踏まえ、改めて避難所運営マニュアルの改訂を実施する予定」とした。
市の回答を受けて4日、光が丘ふれあいセンターに同地区の防災隊役員と5カ所の避難所を管理運営する避難所運営協議会の会長ら12人が集い、意見を交換した。
議事を進行した割柏会長は、「分散避難という観点から、校庭や教室の使用ができると回答されたことは大きい」と成果を強調した。参加者からは、体育館のレイアウトの見直しや教室の割り当て、校庭の使用方法、人員配置などについて意見が出された。今後、それらの意見と合わせ避難所となる施設責任者との打ち合わせや収容人数の割り出しなどを各避難所運営協議会で早急に進めていくことが確認された。
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