関東も1日に梅雨明けし夏本番を迎え、市は新型コロナ対策の基本となる「新しい生活様式」の中での熱中症予防にこのほど乗り出し、ホームページや動画配信で周知するなどして注意を呼び掛けている。消防も今後予想される急激な暑さに体調を崩し、救急搬送が増加するとして啓発を進めている。
今夏は新型コロナウイルス感染症対策と、熱中症予防の両立が求められている。夏は熱中症患者の搬送数が多いため、医療体制を圧迫し適切な治療を受けられない患者が出ることも想定される。市健康増進課では、「新しい生活様式」を取り入れることによって高まるリスクを考慮し、とりわけマスクの着用を原因とする「マスク熱中症」への警戒を強める中、新しい「熱中症予防」を示している。
そのポイントとなるのは主に2つで、「人と2メートル以上の十分な距離が取れる際は、適宜マスクを外して休憩する」「マスク着用中はのどの渇きに気が付きにくいため、こまめに水分補給する」が軸となる。併せて、市民生活での具体的な予防策を市HPで紹介している。
新型コロナ対策として推奨されている毎日の体温測定、健康チェックも熱中症予防に有効だと指摘。同課の熱中症予防担当者は「熱中症の症状は、発熱・倦怠感など新型コロナの症状と似たものがあるため、例年よりも一層、熱中症予防に取り組んでほしい」と話している。
動画配信による啓発にも力を入れている。市政策課では、7月3日に包括連携協定を締結した大塚製薬と協力し、独自の「『新しい生活様式』における熱中症対策啓発動画」を制作。動画内では市の職員が予防のポイントを詳しく解説している。現在市HPに掲載しているほか、イトーヨーカドー古淵店など市内各所で公開している。同課のデラワリケイさんは「熱中症のリスクを考えるとマスクを外した方が良い場合があることを理解してもらえるとうれしい」と呼び掛けている。詳細は市HP(【URL】https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/kurashi/kenko/1020374.html)で確認することができる。
急な暑さにも注意を
市消防局救急課によると、7月に熱中症の疑いで救急搬送された人数は21人と昨年7月の62人に対して大幅に減少しているが、1日の梅雨明け以降、気温の上昇に比例して救急搬送される人数が増える恐れがあるとして、救命講習を行うなど注意を促している。熱中症の症状として同課の河上仁厚さんは「自分で水が飲めない、意識がない、全身のけいれんなどがある」と説明。その場合早急に救急車を要請するよう呼び掛けている。