東淵野辺のたけのうちこども園(尾野宏美園長)に9日、大型観光バスが出現した。普段乗る機会の少ない大きなバスに園児は大喜び。束の間の遠足気分を味わった。
これは、企業の送迎、団体やグループでの観光旅行、各種学校の遠足などさまざまなシーンで貸切バス事業を展開するYM交通(清新・山口誠志社長)が行ったボランティア企画。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で観光業務が滞った同社では、大型バスを活用して地域の子どもたちに喜んでもらえるような企画を模索。取引先であった同園に赴き、バス乗車体験を実施した。相模原警察署にも協力を呼びかけて、同時に交通安全教室も行う運びとなった。
この日は5歳児24人が2グループに分かれ、交互にバスに乗車した。園児からは「広い」「楽しい」とはしゃぐ声。席に着いて前方のモニターで交通安全のDVDを観た後は、一人ずつ運転席に座って記念撮影をし、その際には大型車両の運転席からは目で見えない死角が生じることも確認した。もう一方のグループは同署員の話を聞きながら、園庭に描かれた横断歩道を、左右を確認し手を挙げて歩行。白バイの体験乗車も楽しんだ。尾野園長は「コロナの影響で大型バスでの遠足も中止となった。子どもたちは大型バスに乗ることができ、交通安全教室もあってうれしそうだった」と話した。
2月以降、コロナ禍で業務のキャンセルが相次ぎ、「経験したことがないような状況に追い込まれた」というYM交通の山口社長は、「絶望の日々の中、お世話になっている方たちに何かできないかと、社員が発案した企画。今後も希望していただけるのであれば、他の園でも開催したい」と述べた。
同社は2日にも、近隣にあるたけのうち幼稚園で同様の取り組みを行っている。
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