災害時に避難所などでペットを飼養管理する際に必要となる物資を提供することを目的とした協定が1日、市とイオンペット(米津一郎社長)との間で締結された。
協定により災害発生時、市の要請で市内外にある同社が運営する動物病院やペット用品取り扱い店舗から、ケージや首輪・リード、ペットフード、トイレ用品など、避難所での飼養管理に必要な物資の提供が受けられるようになる。
本村賢太郎市長は昨年の台風19号で、ペットの飼い主から避難に関する相談が多数寄せられたことを明かし、「ペットを連れた避難者をしっかり受け入れられるようにご支援をお願いしていく。協定の締結を心強く思う」と謝辞を述べた。米津社長は「ペット産業としても非常に大きな一歩。地域に貢献していきたい」と決意を新たにした。
災害対策啓発も
一方、飼い主に向けた啓発として、市は9月にペットを連れて避難する場合の行動指針となる「風水害時にペットを連れて避難する際のお願い」を作成した。
昨年まではペット連れの避難者への対応が避難場所によって異なるなど、受け入れ体制が整っていないことが問題となっていた。7月に策定された「風水害時避難場所運営マニュアル」にペット連れ避難者を「人命救助の観点から受け入れる」と方針を明確化するとともに、このほど作成した行動指針の中に避難時の持ち物とルールを明示。市ホームページの「ペットの災害対策」や、市内動物病院などにポスターを掲示し飼い主への周知を図る。
市生活衛生課主任で獣医師の佐藤陽子さんは「ペットを守るのは飼い主。一人ひとりが責任をもって日頃の準備をしたうえで、必要な際はためらわずに一緒に避難を」と呼び掛けている。問い合わせは同課【電話】042・769・8347へ。