はやぶさ2の挑戦 第2回(全3回) 歴史的偉業に期待 JAXA広報 大川 拓也さん
はやぶさ2が種子島宇宙ステーションから打ち上げられた2014年12月、そのときは淵野辺駅北口でのパブリックビューイング(PV)で中継動画を見ながら実況解説に臨んでいた。平日の午後だったのにもかかわらず、大勢の通行人が足を止め、打ち上げの様子を固唾を呑んで見守った。そして、無事に上空へと上がっていくと会場からは大きな拍手とともに、「しっかり帰って来いよ」などの声が上がった。相模原で生まれた探査機が地元の人々によって見送られる姿に感動を覚えたことを今でも鮮明に記憶する。あれから6年。地球帰還まで残すところ2週間を切った。「いよいよだなあと感じます」
打ち上げ当時はまだ、2010年に初号機はやぶさが満身創痍の中で見事に地球帰還を果たし、日本中に一大「はやぶさブーム」が湧き起こった。そうしたはやぶさの感動の余韻が残る中でのはやぶさ2の打ち上げだったと回想する。それだけに、打ち上がったものの、はやぶさ並みの関心が今後集まるのかといった不安な面もあった。それでも、はやぶさ2は2度のタッチダウンや凹凸の激しい小惑星リュウグウでのクレーター生成を成功させるなどJAXA関係者、そして宇宙ファンの期待を上回る形で応えてみせた。タッチダウンについては市内でPVも行われ、会場の博物館には市内外から多くの観客が詰め掛け、報道陣も集結するなど関心の高さがうかがえた。「そうやって多くの人に応援してもらえてうれしい」と胸の内をのぞかせる。
現在は帰還当日のカプセル分離、大気圏突入の中継準備などに追われる日々だが、「大川流」の地球帰還の楽しみ方について「大気圏に再突入したカプセルが火球となって着陸する様子に注目してほしい」と呼び掛ける。はやぶさ2は分離後に拡張ミッションとして別のミッションへと向かうため、今後のミッションにも「興味を持ってもらえれば」と関心を集めたい考えだ。
カプセルが無事帰還すれば、市内に持ち帰られ、順次分析が実施される。「生命起源に迫る材料がいよいよ人類の手に渡る。この事は、これから先もさまざまな宇宙に関するシーンで報じられるはず。今からワクワクします」。歴史的偉業を目前に控え、胸が高鳴る。
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