当初予定されていた2027年の開業は困難との声が聞かれる「リニア中央新幹線」――。そんな状況を歯がゆい思いで見守っているのが、地域住民らで構成される「リニアのまち橋本を育てる会」だ。
同線の停車駅に「橋本」を選んでもらおうと前身の団体が立ち上がって以来、その進捗を見守ってきた。「橋本に停まることが決まってからは、会の名前を現在のものへと改め、地域の声を開発に当たるJR東海や、新しい町づくりを進める相模原市に伝える役割を担ってきました」と前身の団体から会長を務めてきた真田勉さん。
現在の状況に対して歯がゆさは隠せないが、会設立以来、JRや市への進捗確認を欠かさず、「停滞」が無いように目を光らせている。「市内の工事は順調に進んでいるという。早く静岡県の理解が得られればね」
原動力は使命感
原動力となっているのは使命感という。多忙な会社経営の傍らで、関係者の声を拾い、伝聞する重責を担うのは、開業によって橋本地域だけでなく、相模原全体がより元気になると信じているから。孫世代がその恩恵を受けることができると思うと体が勝手に動くのだという。
「元々、前身の団体から私が会長を務めることになったのは、諸先輩方の中、現在67歳の私だけが開業時に生き残っているだろうから、ということだった」と微笑み、それ以来、開業を見守ることを使命に感じるようになったのだと笑う。
懸念することがもう1つ。新型コロナだ。その影響でこれまで年に2回程度開いていた、地域とJR、市とのリニアに関する会合が開けないでいる。「早く収束し、みんなでリニア開業に向け、意見を交わし合いたい。開業への道のりは険しいね」
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